Reasonデバイスでアイソレーターを作る

2010年2月17日 水曜日 | 短縮URL | カテゴリー: Reason, Record

DJパフォーマンスで使われるアイソレーターをReason/Recordデバイスで再現してみます。

近頃はDJネタが多い感もありますが、あまり気にしない方向で。
DJパフォーマンスの定番機材に「アイソレーター」という物があります。知らない人のために説明しておきますと、Lo/Mid/Hiのように3~4Bandに音を分割して、個別に音量を制御できるエフェクターのことです。すでに生産完了となっているVestax DCR-1200という代表的なモデルがあるのですが、最近はDJミキサーにこのアイソレーター機能が搭載されている物もあったりします。



参考までに、こちらはDCR-1200の後継にあたるDCR-1500。残念ながらこれも現在は生産完了となっています。用途は限られてきますがアイソレーターを愛用しているプロDJは多く、カスタマイズ品やハンドメイドの物なども見受けられる、かなりディープな世界の一端とも言えます。

そこで今回は、Reason/Recordのデバイスを使ってこのアイソレーターを再現してみます。原理さえ分かってしまえば、作ること自体は結構簡単です。




…Scream 4のCutセクションが思い浮かんだ人。惜しい、ハズレです。この機能は「±18dB」のブースト/カットになっていて、アイソレーターのように完全に無音にすることはできません。
正解は、MClassステレオイメージャーの「ある機能」を使います。



RecordのインサートFXでも作れますが、今回はReason兼用ということでCombinatorで説明を進めます。エンコーダーが横並びのほうが見映え的に良い、という理由もあるのですが。
3Bandのアイソレーターを作る場合は、このようにステレオイメージャーを2つ呼び出します。4Bandにしたい場合は3つ必要です。分割した音をまとめるミキサーも要ります。では、続いて背面の配線です。


まずは、入力された音を1台目のステレオイメージャーへ。


ステレオイメージャーの1台目のアウトを、2台目のインへ接続します。


1台目の「セパレートアウト(設定:Lo Band)」をミキサーのチャンネル1へ接続。


同じ要領で2台目の「セパレートアウト(Lo Band)」をミキサーのチャンネル2へ。


最後に、2台目のアウトをミキサーのチャンネル3へ接続します。
ミキサーには計3系統の音が入力されて、ミックスした物がCombinatorの外へ出力されます。



ラックのオモテへ戻って、2台のステレオイメージャーを両方とも「Solo Hi Band」に設定します。こうすることで、先ほど配線したセパレートアウトからはクロスオーバーで指定する周波数より下(Lo)、本来のアウトからはクロスオーバーより上(Hi)が出力されるようになります。つまり、

ミキサーのチャンネル1:1台目のクロスオーバーより下=Lo
ミキサーのチャンネル2:1台目と2台目のクロスオーバーの間=Mid
ミキサーのチャンネル3:2台目のクロスオーバーより上=Hi

…ということです。あとはクロスオーバー周波数を決めるだけです。



「だけです」とあっさり書きましたが実はこの設定がアイソレーターのキモだったりします。DCR-1200をはじめとするアイソレーターのほとんどはかなりの試行錯誤を経てこの周波数が決められていて、それが機材のキャラクターを決定付けていると言っても過言ではありません。
たまたま、Bozakブランドの現行モデルが400Hzと4kHzにクロスオーバーを設定していることが分かったため、今回はこれに倣ってみます。ステレオイメージャーの1台目のクロスオーバーがLoとMidの境い目(400Hz)、2台目がMidとHiの境い目(4kHz)です。

あとは、Combinatorの各端子をアイソレーターっぽく割り当てておきます。こんな感じでしょうか。



ロータリー1~3にミキサーのチャンネル1~3のレベル、同様にボタンにはミュートを「Min/Max逆で」アサインしました。消灯時にミュートのほうが何となくしっくり来ますので。
ミキサーのチャンネル1~3のレベルが、アイソレーターのLo/Mid/Hiのレベルになります。

試しにステレオ素材を色々と通してみると、やはりEQなどと違って 完全にカットできてしまうのが心地よいです。



こんな具合のコントローラーを使えば、さらにアイソレーターを操作している雰囲気が出ます。
もっと欲を言うと、DCR-1200のようなアルミ削り出しのエンコーダーを搭載したMIDIコントローラーがあれば素敵なのですが。どこかで作ってくれないものでしょうか。