ラックは、Reasonでトラックを作って作業を進めるためのスタジオセットアップの骨格です。ここでは、Reasonの基本的なコンセプトを提供するラックについて解説します。
ラックは、主に4つのパートに分かれています。MIDIインのデバイス、オーディオアウトのデバイス、シーケンサー、そして使用したい機材をラックマウントするための空きスペースがあります。
ラックへの機材の追加は簡単です。”Create”メニューを使用、またはラック上で右クリックし、使用したい機材を選択するだけです。
ここでは、ラックの空きスペースで右クリック(Macintoshの場合、[Control]+クリックする)してミキサーを追加します
キサーは、自動的にオーディオアウトのデバイスに接続されます。
次に、Subtractorシンセサイザーをラックに追加します。以下のように行います。
左図は、Subtractorシンセサイザーを追加したラックです。このシンセサイザーは、自動的にミキサーの空いている若い番号のチャンネルと、MIDIインのデバイスの空いている若い番号のチャンネルに接続されます。ここでは、ミキサーチャンネルの1とMIDIチャンネルの1になっています。
ラック内のデバイスの配線の確認のために、各デバイスとミキサーのチャンネルに小さな目印のテープを張り付けることができます。追加したシンセサイザーが「Synth1」の場合は、「Synth1」のラベルがシンセサイザーとミキサーのチャンネルに張り付けられます。ラックが大きくなり上から下まで一度にスクロールできない場合など、各チャンネルがどのようにつながっているかを知るのに非常に便利です。
よりわかりやすくするために、各楽器の役割に合わせて名称を変えることもできます。ここでは、Subtractorを「Synth1」から「Bass」に変えます。この名称の変更は、ミキサーチャンネルのラベルにも反映されます。ハードウェアのスタジオでも同じようなことができるようになっていたら… ちょうど、スタジオのテープオペレーターの人間をラベルとペンを持たせてそこらじゅう走り回らせているようなものです。素晴らしいと思いませんか?
ここまでは、デバイスが自動的に空いているオーディオとMIDIのチャンネルにパッチされることについて説明しました。これは、エフェクターを追加した場合にもあてはまります。Reasonは、サウンドを出力するどのデバイスにでもエフェクターを接続することができます。
本物のスタジオと同様にセンドエフェクトとインサートエフェクトは異なります。センドエフェクトはミキサーのエフェクトセンドに接続され、複数のデバイスをルーティングすることができます。リバーブやディレイは典型的なセンドエフェクトです。インサートエフェクトは、楽器の出力をミキサーに入れる前に接続するようなタイプのエフェクトです。典型的なインサートエフェクトとしては、コンプレッサー, ディストーション, フィルターがあります。

センドエフェクトを追加するためには、ミキサーをクリックして”Create”メニューから希望するエフェクトを選択するだけです。エフェクトは、空いているエフェクトセンドとエフェクトリターンに接続されます。左図は、リバーブとディレイが追加されたミキサーです。

もちろん、エフェクトのリターンにはどこからの信号が流れているかを示すラベルが表示されます。
インサートエフェクトを追加するためには、エフェクトを追加したいデバイスを選択して”Create”メニューから希望するエフェクトを選択するだけです。エフェクトは、選択したデバイスと接続されていたミキサーまたはエフェクトの間に接続されます。


ここまでで、どのようにして新しいデバイスが自動的に他のデバイスと接続されるのかを見てきました。この接続を変更したい場合はどうすればよいのでしょうか?シンセサイザーの各アウトプットをサウンドカードのマルチアウトプットから出力したい場合や、デジタルディレイの左チャンネルの信号をフェイザー, ディストーション, コンプレッサーを通してミキサーに送りたい場合もあるでしょう。
それでは、Reasonのリパッチングの方法を見てみましょう。パッチングを図解するために、ミキサーとリバーブとディレイが接続されているラックを用意しました。そこには2台のシンセサイザーがあり、1台はベースに、もう1台はフィルターのスイープに使用されています。そして、ピアノのためのサンプラーとREXプレイヤーとドラムマシンがあります。ベースのシンセサイザーは、インサートエフェクトでフェイザーを使用しています。
Reasonは、実際のハードウェアの機材のように表示され動作します。オーディオの配線を行うのにベストでもっとも簡単な方法は、実際にスタジオで行うような方法だと考えました。ラックの裏側を見てみましょう。[tab]キーを押すことによって、ラックの裏側が表示され、すべてのケーブルとコネクターのジャックが見えるようになっています。楽器のケーブルは赤で、エフェクトに接続されているケーブルは緑色をしています。

オーディオの配線を変えるためには、コネクターをクリックして新しい位置にドラッグするだけです。
マウスカーソルのとなりに表示される小さなラベルは、そのケーブルがどのデバイスにつながっているのかを示しています。ハードウェアのスタジオにはこれが足りませんでした。さらに、Reasonのパッチケーブルは常に最適な長さで、壊れることもありませんし、ノイズを発生させることもないのです。
Reasonのパッチングなら、ラック内の機器を接続することで発生するノイズから解放されます。先に挙げた、デジタルディレイの左チャンネルのリターンからフェイザー, ディストーション, コンプレッサーを経由してミキサーに戻すようなことは、楽々とできてしまいます。デバイスを追加してパッチしさえすればよいのです。
ラックの裏側についての説明と併せて、Reasonのもっとも素晴らしい機能の一つをチェックしてみましょう。下図は、Subtractorシンセサイザーのバックパネルで、サンプラー, REXプレイヤー, ドラムマシンからのケーブルが通り過ぎています。
右側にミキサーへのオーディオアウトプットが見えますが、バックパネルにある残りの小さいコネクターは何でしょうか?CV(Control Voltage)とGateの世界へようこそ!MIDI以前の時代には、アナログシンセサイザーをコントロールするためにアナログコントロールボルテージを用いていました(今も使用されていますが)。あるピッチでノートをトリガーすることに加えて、コントロールボルテージでフィルターやボリューム、その他あらゆるものをコントロールすることができます。Reasonのすべてのデバイスは、CV(Control Voltage)を装備しており、他のデバイスからコントロールしたり他のデバイスをコントロールしたりすることができます。
一例として、Subtractorのアナログインプットを以下に列記します。
| Sequencer control | CV (pitch) |
| Gate | |
| Gate input | Amp envelope |
| Mod envelope | |
| Filter envelope | |
| Modulation input | Oscillator pitch |
| Oscillator phase | |
| FM amount | |
| Filter 1 Cutoff | |
| Filter 1 Res | |
| Filter 2 Cutoff | |
| Mod level | |
| Mod Wheel |
アナログアウトプットは以下の通りです。
| Modulation output | Mod envelope |
| Filter envelope | |
| LFO |
それではアナログのコントロールはどうするのでしょうか?答えは、「やりたいようにできる!」です。シンセサイザーのエンベロープをREXプレイヤーのフィルターのコントロールに使用したり、フェイザーのレートのコントロールにシンセサイザーを使用することもできます。MatrixアナログシーケンサーをReBirthのようなスタイルの強力なPCFに使わない手はないでしょう。
ラックの上にあるベースラインに自動的なパンニングが必要だとしましょう。ミキサーにはパンのCVインプットがあります。下図のようにシンセサイザーのLFOをミキサーのパンのCVインプットに接続してみましょう。
青いケーブルが、LFO1のアウトプットからミキサーのパンのCVインに接続されています。結果を下のサンプルオーディオを聴いてみてください。
この短いループは、シンセサイザーのLFOアウトプットからミキサーのパンをコントロールする、CVの使用方法のデモンストレーションです。