私の肩書きは「コンテンツ・マネージャー」です。他に適当な呼び方がないものですから。つまり、シンセのプリセット、REXファイル、サンプル音源などの一切を管理するプロダクト・マネージャーです。このプロジェクトでの果たした役割は、企画の立案、開発、そして実現に向けて実力行使する(笑)ことでした。でも、実際は私以外にも、Propellerhead社内外の才能ある多くの人たちがかかわったのですよ。
前例のないことをやったわけですから、すべてのステップを信じて前向きでいること、そして、プロジェクトに関わる人たちにアイデアを伝えるための工夫をしたり、コストを意識する会社の人たちに、いったいどこにお金が消えているのかを説明したりするのが大変でした。一方、開発する上で最も難しかったのは、パッチのプログラミングでしたね。これは意外な驚きでしたよ。なぜなら、技術的な面でもっと多くの問題が起きると覚悟していましたからね。ルーピングとか多種多様なマイクでのレコーディングとか。作業を周到かつ緻密に進めた結果、かなりいい仕上がりになりました。もっとも、開発の初期段階でいくつかの失敗はありましたがね。
やっぱりそうきましたね(笑)。このピアノ音源はユニークなもので、色々な種類のマイク使って同時録音されています。つまり、それぞれのマイクの特性がそれぞれのサンプルに反映されているので、マイクの好みに合わせてサンプルをミックスすることができるのです。他の製品では到底不可能なレベルのサウンドコントロールを可能にするわけです。その他にも、お求め易い価格やコンパクトなファイルサイズといったメリットもありますが、あくまでも重要なのは柔軟性と音質なのだと申し上げたいですね。
そう願いたいですね。私自身はアプリケーション開発に直接かかわってはいないのですが、個人的に欲しい機能を追加するよう強く訴えていますよ(笑)。希望リストに2、3の項目を載せていますから、それが承認されしだいアップデートに向けて作業を開始する予定です。
それはちょっと…今バカンスから戻ったばっかりなので、ちょっと休ませてください(笑)。
完璧なピアノとロケーションを求めてスタジオというスタジオを捜し回ったあげく、スウェーデンラジオがロケーションとして最適で、しかも彼らがすばらしいスタンウェイのグランドピアノを持っていることがわかったのです。しかし、そこに勤務しているピアノ調律師とエンジニアが、そのピアノはやめた方がいいと言うのです。音色が明る過ぎて強過ぎると。われわれは、クラッシック音楽向けに使うわけではないので、少々音色が明るくても問題ないと伝えようとしたのですが、彼らはやめた方がいいの一点張りだったのです。われわれの方もしつこく粘ったあげく、ついに予約することができたのです。時間的な余裕を持ってね。何日間もピアノが必要でしたし、スタジオに至っては丸々1週間必要でしたから。
ところが、収録が始まる2日前になって電話があり、そのピアノは使えないと言われたのです。エレベーターが故障して修理するのに2か月はかかると。それで、別のピアノを使う羽目になったのです。結果的には、もっと良いスタンウェイのグランドピアノだったのですが。その時はなんの手立てもなくただその状況を受け入れて、その「もっと良い」ピアノを使うことにしました。頑張った甲斐あってレコーディングはとても良い結果に終わりました。最初のピアノのほうが音にもっとキレがあったとは思いますが、結果にはとても満足でした。
1週間に渡ってわれわれをサポートしてくれたピアノ調律師 — とても好感の持てる人物でしたが — 彼と雑談している際に、本当は最初に選んだピアノを簡単に調達できたかも知れなかったことを知らされました。脚を取り外して本体を横向きに倒し、トレーラーに積み込んで運んで来るだけのことだったのですから。今になっても、なぜ誰もそれを教えてくれなかったのか理由がわかりません。私がどう考えようと憶測の域を出ませんし、また、この場でお話しするようなことでもないのでご想像にお任せしますが。